事業成果を出す組織を作るの実績紹介

実績紹介(森のチームビルディング研修(スマート・フォレスト様主催 ))

■ 研修概要

森のチームビルディング研修(株式会社スマート・フォレスト様主催)

場所:檜原村(高尾)

お客様概要:外資系企業約50名

お客様要望:在宅が多く、普段お互いの人となりを知る機会がないため、対面での作業を通じてチームの信頼関係を深めたい。

当方役割:外部講師(ファシリテーター)

 


当方では、個人・法人のお客様に対して、セミナーをご提供しています。その中で、株式会社スマート・フォレスト様主催のチームビルディング研修に外部講師(ファシリテーター)としてお誘いいただき、参加してきましたので、共有させて頂ければと思います。

スマート・フォレスト様の研修は非常に面白く、木々を使ってベンチを作ることでチームビルディング(チームが組まれ、衝突を経てチーム形成していくプロセス)を疑似体験し、日々の業務にも活かしてもらうというものです。

まず前半は山の中を散策しながら、専門家から木や林業について簡単にレクチャ―頂きます。私も初めて知ったのですが、高尾の山々は昔全て木を伐採してしまい、すべて禿山になってしまったそうで、そこから地元の方が手作業で植樹されたそうです。今となってはこんなに青々と木々が成長していますが、今度は間伐作業の人材が不足してしまい、栄養が一本一本の木に行き届かず、現在では売ることができないような細い木々になってしまっているとのこと。何事もバランスが難しいんですね。日本は木々に覆われている本当に自然豊かな国で、山や水源の秩序は木々が保ってくれています。本当にこの豊かな自然が維持されていくことを願います。

そして、午後は、いよいよベンチ作りです。

5~6人で一つの班を作り、役割分担やコンセプト作りから決めていってもらいます。ここでのポイントは、資材や道具に限りがあるため、作り始めると当初のコンセプトではうまくいかないところが必ず出てきます。そのため、作りながら設計やコンセプトを修正していく必要があり、その辺りのコミュニケーションと全体統制をどのように追っていけるかが肝となります。

このような状況では、あまりにも個人プレーや好き勝手に作業する人がいると、ベンチはたちまちチームの総意とはかけ離れたものになってしまいます。皆のイメージから離れすぎず、ここまでなら変えてもいいよねと納得できる範囲を探りながら調整をしていくことになります。

そして、この調整のプロセスが班ごとに全く異なっていたのが個人的にも気づきになりました。つまり、コンセプトを全体で決めたはずでも個人が脳内にイメージしている完成図が一人一人異なるということです。

ベンチだとイメージしやすいですが、なぜか日々の業務の中だとこの「完成形のイメージの相違」を見落としてしまいます。折角進めてしまったのに後から修正されたり、顧客からやり直しを食らったりという経験は誰しもあるのではないでしょうか。分業体制の中では、メンバーの人数が増えれば増えるほどイメージのずれが発生しますので、その修正に手間を惜しまないことの重要性に改めて気付かされました。

 

 

 

そして、ベンチ作りが終了した後は、ベンチが完成するまでのプロセスを振り返って頂きます。

ベンチ作りの最中は皆さん熱中しており、目の前のベンチを完成させることに集中していますので、チームのことを考える余裕などない場合が多いですが、焚火を囲み、コーヒーを飲みながらリラックスした環境で振り返ってもらうと、自分たちの行動やチームワークを内省することができます。

この振り返りの時間が重要で、私含め複数人のファシリテーターが進行役として入り、問いを投げかけることで改めてチームビルディングに意識を向けて頂きます。

今回のお客様は、日々一緒に作業しているメンバーで班を作ったとのことで、意志疎通が非常にスムーズに取れていました。皆様積極的に働いており、自分ができそうなことをいち早く見つけてチームに貢献していました。そのプロセスを振り返っている中で、「いつも阿吽の呼吸で仕事ができているんだなということに気付けた」と仰っている方がいました。いちいち確認しなくても、「この人だったらこのレベルの仕事はこなしてくれる」だろうという信頼は、仕事の質とスピードに非常に関わります。今回の研修で背中を預けられる仲間に気づけたことは、今後の業務においても非常に大きなアドバンテージになると思います。

また、チームビルディングでは意見がぶつかり衝突する時間をどのように捉えるかということが重要だと私は考えています。ベンチ作りでいうと、コンセプト作りと作業中の方向転換がこれに当たります。心理的安全性、というと平たい言い方になってしまいますが、考えを発言すること、他人の意見とのバッティングを恐れないこと、チームにとって最善の策か否かを客観的に判断することはチーム強化に非常に重要です。成果が出たあとにこの時間を冷静に振り返えると、どのくらいの加減で人と意見をすり合わせるとアイディアが転がっていくか(強すぎても弱すぎてもだめ)が意識できるようになると思います。

普段の業務では、成果が出た後はプロジェクトの動きなどを反省する時間はないと思いますので、ベンチ作りは疑似体験としてよいトレーニングだと思います。

 

 

私は組織を作る立場として、分業について深く学んでいます。付加価値を作るためには一人で事業をやるよりも、人々が集まって分担を決め、その集合体として企業活動をした方が、何倍もの成果を出すことができるからです。つまり、分業を上手くコントロールできる方が組織力を強めることができるのです。

分業というのは一連の流れをメンバーで分けることなので、作業の前後でメンバー同士の調整が必要になります。ですが、昨今では在宅や時短勤務等の働き方が多様になり、全員が顔を合わせずとも働けるようになりました。それはそれで良い側面もありますが、チームで一つのものを作るという実感が以前より減っています。このような研修が人気なのは、その疑似体験をすることで、人と協働するという人間の感覚を取り戻すことができるからなのかもしれません。研修が終わった後の皆様の晴れ晴れした様子を見て、「協働」を実感いたしました。

ご参考に、分業については下記書籍が非常に参考になりますので、ぜひご一読頂ければと思います。

 

書籍紹介(ハイアウトプットマネジメント)

 

組織診断(従業員アンケート+面談)

■実績紹介

会社名:株式会社エコ・ブレーンズ

設立:2008年

所在地:静岡県静岡市

従業員数:10名

事業内容:補助金申請代行業


御社で何が起こっているのか、オリジナルアンケートで炙り出す

支援させて頂いている企業様にて、組織サーベイとして従業員アンケートを実施いたしました。まず、当方が用意しているオリジナルアンケートを基に、社長様と事前に設問に対するすり合わせを行い、従業員アンケートを完成させます。私が確認したいことに加え、社長様が気になっていることをこのタイミングで確認できた方が良いので、併せて設問に盛り込みます。

また、事前に社長様とはメンバーの業務内容・過去のキャリア・性格特徴・強み弱み・将来性などについて打合せをしております。ある程度組織の情報を私もインプットできた状態でアンケートを調整しておりますので、最終目的である人事制度を作るために知りたいこと、例えば「評価制度のための評価基準」「人財育成基準」「経営者と従業員の温度差・方針のずれ」などをまとめていくための設問を的確に用意することができます。

実は、アンケート実施直前にこちらの企業様にて入退社が発生してしまい、社長様が非常に疲弊していらっしゃいました。社長様としては誠心誠意従業員を巻き込んできたわけですから、辛い部分は心中察することができます。その出来事を踏まえ、アンケート内容を一部更新することにしました。社長様としては「社員の不満を聞いてほしい」とのご要望が新たに出てきたため、そこも診断できるよう設問を工夫した一方、あまりにも「不満抽出」に固執してしまうと本来の組織診断から離れてしまうので、アンケート内では軽く触れる程度にとどめ、メインは私が面接時に口頭で確認することにしました。

このように、企業様の状況に合わせて柔軟に設問を変更し、集めたい情報を確実に吸収できるようアジャストできることは当社の強みかと思います。

 

↓アンケートサンプルです *全体で4枚(20問)ほど

 


組織の核を探る従業員面談

アンケート集計後、企業に訪問して従業員面談を実施しました。一人1時間、10人実施しましたので1日で10時間面談していたことになります。

従業員面談は、「従業員の方が心を開いてくれるか」が重要ポイントです。どこの人事コンサルでも従業員面談を実施しているかと思いますが、面談はインタビュアーの力量がものすごく出る部分になります。そのような状況で、従業員の方の「大丈夫です、何もありません」という言葉を間に受けてしまうようなコンサルタントは組織実態を捉えることは難しく、その言葉の裏にあるような人間関係・性格・状況・熱量などを総合的にみて、瞬時に質問を調整していく必要があります。

今回、従業員面談を実施してみて、外部の人間がヒアリングに入ることが組織にとって大きなプラスになると改めて実感しました。

㈱エコ・ブレーンズ様では、当初社長様が「急に外部の人と面談しても、みんなあんまり喋らないんじゃないかな」と言っており、一人30分のタイムスケジュールにしていました。ところが、面接を初めて見ると、組織のこと、プライベートなこと、今までの経歴のこと、将来のキャリアのこと、事業展望のこと、地域のことなど、様々な話題が出てきて一人1時間かかりました。10人いましたので、面談日は10時間面談を実施しました。(最後の方は声がかれてきました…)

社長様が驚いていたのは、従業員の方がすぐに心を開いてくれたことと、私が従業員の方の性格や特徴を掴むことができ、社長様の思っていた印象と一致していたことです。それは、手前味噌ではありますが、私が事業現場とのやり取りがとても多く、300~900人の地域の従業員の人間模様を見てきたことが活きているのだと思います。実際に会わなくてはその人の性格がわからない、というのも、遠隔地にある事業現場に訪問する中で身についた感覚です。メールや電話では冷たかった人も、実際に対面してみると攻略すべきポイントが見えてきます。

組織は閉塞感があります。特に、中小企業は小さい箱の中に人間関係が押し込められているようなものなので、社長様・従業員様ともに相談相手がいないための行き場のないストレスはあります。意外にもコミュニケーションの範囲(話題・対人)が狭いのです。そこで、利害関係のない第三者が入ることで、皆様多少なりともほっとしたような顔をされます。毎回この瞬間に面談をやってよかったなと感じます。

私の感覚的は、8~10人面談すると大体従業員の意見が一致してきます。もう少し規模の大きな組織でしたら、キーパーソンを8~10人ピックアップして頂き、その方たちと面談していきます。面談はWEBではなく直接企業様へ訪問し、生の感覚を吸収してきます。(地方企業も大歓迎です。)

但し、1時間愚痴大会にしないようには気を付けています。また、「この話は社長に報告します」というスタンスでヒアリングを行いますので、ただすっきりして終わりではなく、今後のためになるような発言を従業員様にも心掛けて頂きます。

そして、そこで出てきた意見や話をふるいにかけ、どこを社長様に報告するか私の方で見極めていきます。

 


フィードバックで見えてきたビジョンと社長様の覚悟

従業員アンケート・面談に加え、その前段で実施していたMVV策定・人事ポリシー策定の内容を合わせ、最終結果をご報告します。ここが一番コンサルタントの頭の悩ませどころで、社長様の性格や従業員の方との関係性に応じて報告レベルを変えていきます。(従業員の方の意見を聞いて、さらに関係性が悪化してしまうと本末転倒なので、そこは私の方で調整いたします)

ミッション・ビジョン・バリューの策定

人事ポリシー構築(人事制度導入前)

今回の企業様は社長と従業員の関係が比較的良好だったので、問題なくご報告いたしました。

さらに、今までの調査で課題がいくつか出てきます。しかし、すべて同時に実施というわけにはいかないため、優先順位をつけてお渡します。その順位を見て頂き、今後取り組むべき人事・組織施策の推進スケジュールを一緒に組んでいきます。必要に応じて、調査に協力頂いた従業員の皆様に報告会を開くことも可能です(その場合は、私も同席させて頂きます)。従業員の方にフィードバックがないと、毎回調査だけ協力してあの手間と時間は何だったのだと不満につながりかねません。コミュニケーション施策の一環にもなりますので、最後の報告会までアレンジさせて頂きます。

㈱エコ・ブレーンズ様では、当初社長様のご意向は「人事制度を導入してほしい」というものでした。そのため、その方向で私も準備を進めていたのですが、従業員アンケートと面談を通して、従業員から「(後継者探しも含めて)社長にビジョンがない」との声が多数聞かれました。MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)は立ててあったのですが、従業員の方が感じる実態と理念が一致していなかったのです。また、MVV策定のためのセッション(私との壁打ち面談)の中で、社長様から「5年後はどうなるかわかならい(そのため、臨機応変に適応していく)」という発言が所々でありました。社長様としては前向きな姿勢で挑んでいくという気持ちでしたが、従業員のもとにはそのポジティブさは伝わっておらず、反対にネガティブに感じ取られていたということです。(従業員の前で社長様が発言していたわけではなく、あくまでも従業員が空気を察していたということです)

そこで、私からのご報告では、最優先事項としてMVVの立て直し(浸透)を提案いたしました。この土台がぐらついた状態で制度を導入しても、従業員がついてこないことが明白だったからです。

<報告書サンプル>

 

ここから施策に突入するわけですが、ここまでで3カ月かかります。

これが私の支援の特徴です。早い・安い・簡単、これを謳っているコンサルタントはいくらでもいますが、そんな制度を導入して本当に御社が10年後に伸びるのでしょうか。私は、本当に御社の成長を考えて施策を練ります。そのためには、社長の方針や御社の雰囲気、従業員のポテンシャルなどをインプットし、御社の社員のように気持ちを入れる必要があります。私はじっくり・丁寧・御社にフィットするコンサルタントをめざしています。そのため、御社の重要なお時間ではありますが、施策開始前に3カ月の準備期間を頂いております。

ここに賛同頂ける企業様は、施策実施~運用伴走まで中長期的に伴走させて頂くことも可能ですので、ぜひご相談ください。

因みに、㈱エコ・ブレーンズ様では、この従業員アンケート・面談が社長様・従業員様の両者から好評で、今後も定期的に実施させて頂くことになりました。組織は生き物なので、定点観測は必要です。人財育成の面からも従業員アンケート・面談は非常に有効ですので、ここだけスポットで支援を受けたいという企業様も大歓迎です。お気軽にご連絡ください!

 

人事ポリシー構築(人事制度導入前)

■実績紹介

会社名:株式会社エコ・ブレーンズ

設立:2008年

所在地:静岡県静岡市

従業員数:11名

事業内容:補助金申請業


従業員への情熱がそこにあるか

以前から支援させて頂いている企業(株式会社エコ・ブレーンズ様)で評価制度を導入することになり、そのためにまずは人事ポリシーの策定と組織診断を実施することになりました。

人事に携わっていない方におかれては「人事ポリシーって何?」と疑問に思われるかもしれません。人事ポリシーとは、その会社の重要資源である「人」について、経営者や人事責任者の方がどのように考えているかを言葉にした方針のことです。採用基準、昇格基準、組織風土に合う人の特徴、人材育成のスパン、どこまで従業員を育てたいか、人材のためにどのようなリソースを割けるか、等々。この方針を人事施策の運用をする担当の方や場合によっては社内全員に共有していきます。

ルールを決める際には必ず価値観が必要です。これは会社ごと異なっていて当たり前で、事業によっても異なるかもしれません。私がコンサルとして入る際、この人事ポリシーが具体的になるまでお話を聞きます。そして、この「人事ポリシー」を明確にする前に制度を作ってしまうと制度がコピペのような薄っぺらいものになり、必ずと言っていいほど形骸化するか潰れてしまいます。

人事制度を導入する最終判断は、「経営者の方が従業員に対して情熱があるか」です。

これは組織の責任者でなければ発生しない熱意です。まずは経営者の方、そしてそれに準じて経営層の皆様・人事責任者が熱意をもっていることが大切で、この組織に対する熱を組織の中に伝播させていくことが人事制度の確固たる役目です。ということは、はじめの熱意がどれだけ高く熱することができるか、ここに運用のポイントなのです。

制度は設計2割、運用8割と言われています。

ぴかぴかの制度を作ることは簡単で、人事経験などまるでない(正直はったりの)人事組織コンサルタントでも作ることだけでよければできます。しかし、それを長年にわたり運用していく、そして事業成果の伸びまで発展させていくことができるか、ここは実際に運用を経験していたコンサルタントでないと担当できないと思っています。

人事や組織の領域は、作業が目的化しやすいと思っています。つまり、本来手段だったはずの制度導入が目的になってしまい、社内稟議を通すことや制度を導入することが使命になりやすいため、本来の目的である「なぜこの制度を導入するのか」「導入した後にどのように変わっていきたいか」という本題の部分が薄くなってしまいます。

経営者の皆さん、ぜひ情熱を制度にぶつけて下さい。諦めかけている方、大丈夫です。

 


独自アンケートと対話で人事ポリシーを固める

人事ポリシーの固め方は、①必要資料(組織図や従業員名簿など)を提供頂く ②独自アンケートに回答頂く×2回 ③アンケートを基に当方とセッション×2回 という3段階構成になっています。

事業拡大のために走り抜けてきた経営者の方にとっては、組織についてここまで立ち止まってじっくり見直す時間がなかったと皆さん仰られます。入退社も激しいため、自分の企業であっても意外と実態がふわっとしている感覚もお持ちのようです。エコ・ブレーンズ様におかれましても、設立から10年経過していますが、社長様自身が人や組織に対して自分の価値観を初めて棚卸されたとのことでした。自問自答を繰り返すのでかなりタフな作業だったらしく、「なかなか大変だったよ」と仰っていました。でも、組織を大きくするうえではここが重要なのです。自分が今まで目をつぶっていた点、人の好き嫌いの傾向、従業員への考え方などを自覚するためには、少々つらくても一度見直してみましょう。

さらに、私とのセッションの中でどういう組織を作っていけばよいかという未来像は固まると思います。実は、こちらの企業様では経営層がおらず、実質社長様一人で経営を担われておりました。そのため、このような経営や組織の相談は社内の人間にはできない、話せなかったようで、そのようなときに私のような第三者の存在が役に立ちます。一度言葉に出してみる、それを聞いた相手からの質問に対してさらに考えてみる、このやり取りは一人ではできないので人事コンサルを導入して頂く一番のメリットです。

但し、人事ポリシーの確定は従業員アンケートと面談を実施してからになるので、このアンケートと対話は下準備ということになります。従業員アンケートと面談については、また次の記事でご紹介したいと思います。

 

↓一部アンケートサンプルのご紹介です

 


企業がどこまで成長できるかは人事ポリシーでわかる

エコ・ブレーンズ様において、当初の社長様の価値観は組織構造をフラットのままにすることでした。社長様が組織内をまとめていく方向でずっと維持していきたいというものです。私は、そのやり方もこの規模の企業ではありだと思います。人事ポリシーの策定で重要なのは「うちのチームをこのように動かしていきたい」という方針があることです。ということで、第一ステップはクリアされていると判断していました。

そこから、第二ステップとして「組織を大きくしていくことに本気を出せるか」ということを見つめなおして頂きます。

事業を大きくしたいという想いは社長様は皆さんお持ちだと思います。但し、エコ・ブレーンズ様のケースでいうと「組織を大きくしたい」想いはありつつも、リーダーを置いてマネジメント権限を委譲していくことに社長様の中で抵抗が最後まであるように感じました。見えていた従業員の様子が少なからず見えなくなるわけですから、不安になるもの当然だと思います。

しかし、私との2回のセッションの中で、当初は組織体制や人事制度を変更するつもりはなかったそうですが、私との会話の中で人事制度の必要性を感じるようになったとのことで、踏み切ることとなりました。

従業員は組織の人間関係に敏感です。しかも、表向きには「階層なんかないよ」と伝えられていればいるほど、「じゃあ平等なはずなのになぜあの人だけ?」とか「自分たちは何を評価されているの?」と経営層に疑念を抱きます。

このずれに本気で対応したいと思うか、組織を大きくして事業を成長させることに本気になれるか、答えがでるまでセッションは繰り返しますので、ご安心ください。焦らずじっくりお付き合いします。

 

 

ミッション・ビジョン・バリューの策定

■実績紹介

会社名:株式会社エコ・ブレーンズ

設立:2008年

所在地:静岡県静岡市

従業員数:10名

事業内容:補助金申請代行業

 


ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を定めよう

株式会社エコ・ブレーンズ様に人事コンサルティングのご支援に入らせて頂いております。こちらの企業は従業員数10名の小さな企業様ではありますが、過去に従業員との関係がうまく発展できず、チーム崩壊に近い経験をされているため、今後そのようなことがないように組織の診断と早いうちからの対策をご希望されており、今回の支援に至りました。

チームは10人を超えたあたりから、階層を意識する必要が発生します。今までは、全員平等として扱ってきた従業員同士の関係性も、評価に差を与えるかどうかを決断していく一つのターニングポイントになります。

10人程度ですと従業員の皆様は社長様に直接物申せる距離にいますので、不公平を感じる従業員からの異変は肌で感じることが多いと思います。とはいえ、不公平を訴えている従業員が求められているパフォーマンスを発揮しているとも限らないのが難しいところです。このまま平等を貫くか、評価制度を導入して階層をつけるかというところは、正直今後の企業のなりたい姿によるところがあるので一概には言えません。

そのため、私は人事制度を導入する際は、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の策定から入らせて頂きます。社長様を中心とした経営層の皆様が持つ会社への考えを固めていくのです。会社をどうしたいか、事業をどのように発展させていきたいか、従業員はどのように働いてほしいかなど、普段は言葉にする機会がないような事項に関して、納得できるまでお話を聞かせて頂きたいと思います。私自身もその会社の文化や働きがいなど、実際に中に入ってみないとわからないことを把握していく必要がありますので、この経営層の方々とのお話は非常に大切な時間です。具体的には、オリジナルの質問シートを用意しておりますので、事前に記入頂き、そちらを基に私とミーティングを繰り返します。

もうすでに企業理念のようなものが定まっている企業様は今あるものを活かして進めていきますので、そこまでお時間は頂戴しません。但し、策定されてからあまりにも時間が経ってしまっているものですと経営層の考える実態とずれてくる場合がございますので、その場合は同じように時間をかけて話を伺うプロセスをはさむようにしています。

 


経営者のためのミッション、企業のためのビジョン、従業員のためのバリュー

株式会社エコ・ブレーンズ様の社長様との打合せの中でも、「ミッション・ビジョン・バリューの区別が分かりづらい」とのお話を受けましたので、今一度整理したいと思います。

ミッション・ビジョン・バリューは山登りに例えられることが多いです。逆算的な説明になりますが、下記のようになります。

まず山登りをする人、これが従業員です。「山を登る」=「事業の成果を出す」ということです。それに対して、どのようなプロセスやマインドで頂上までいくのかということが「バリュー」=「その会社の価値」になります。簡単な道から行くのか、険しい道を行くのか、はたまたヘリコプターで行くのか、従業員の方の取り組む姿勢や組織文化などについてを文言にしますので、会社の価値観が出る部分だと思います。

次にビジョン、これは「どのような山を登っているのか」「山を登り続けると、我々はどのようになるのか」というめざしたい姿を表現しています。この「山を登り続ける」というのは事業を継続するということで、5~10年後くらいの中長期的な目標です。現状維持でもよし、組織が大きくなる途中でもよし、支店を出したいでもよし。従業員の方が入社してからギャップを感じる部分はこのビジョンの認識がずれている場合に起こると思います。そのため、「この企業はこのようになりたいと思っています」という自己紹介的な部分でもあります。

最後にミッションですが、「大前提として、なぜ山を登るのか。なぜ頂上をめざすのか」を掲げていきます。これは事業を立ち上げ、継続している社長様の中にしか答えがないものなので、対話の中で言語化して頂く必要が出てきます。最初はまとまらない内容を話す方や、反対にきれいごとのような上辺を話す方もいらっしゃいますが、私との壁打ちをしていく中で「ここが原動力だ」というポイントが見えてきます。そこが出てくるまでは、少し苦しいですが同じような問いを何度もさせて頂き、ご本人も気づかなかったような部分を見つけていきます。

MVVは人事施策のみならず、企業のすべての事業施策に紐づいてきます。さらには、「このMVVに賛同してくれる従業員」が入社基準になれば、企業と従業員のマッチングもそこまで外れることは少ないはずです。組織を作り、事業をドライブさせていくうえで、MVVは必要不可欠なのです。

 

 


従業員への浸透と対外的アピール

MVVを策定しただけでは何の意味もありませんので、従業員へ浸透させることが必要になってきます。特に、ミッションについては、企業の根幹であり従業員がその企業で働く理由にもなりますので、ぜひ周知・浸透にも心掛けてほしいと思います。

株式会社エコ・ブレーンズ様の例ですと、社長様が事務所の一番目立つ場所にミッションを印刷して掲載してくださいました。

こちらの企業は地域密着型で従業員の皆様も地元を愛しており、地域のために役に立ちたいという想いが強いことが分かりました。また、補助金事業という、ものづくり大国日本を支える中小企業にも貢献できるという点も踏まえ、ぴったりのミッションだと思います。

掲示以外にも、当方にてHPや会社パンフレットに掲載する素材も作成しております。対外的にアピールすることも先述の理由から効果的です。組織作り、そして人事施策へ入る前の土台作りとして、MVVを策定から始めてみることをおすすめします。

興味のある企業様、経営者様、ぜひお気軽にお問合せ下さい。