2025年02月17日
当社へのご相談で、必ずと言っていいほど言われるのが「コピペではない、独自の人事制度を作ってほしい」という話です。
私は人事制度はその企業独自のものであるのは当たり前だと思っています。
人事制度は等級・報酬・評価の3つのルールを連動して運用していくしくみです。例えば等級制度。等級は組織の階層のやるべきこと(等級定義)を決めるものです。等級定義はその企業の従業員数や事業、チーム体制に合わせて階層を作ったり、何をやってもらうかという業務の全体把握ができていないと等級定義を作ることはできません。

にもかかわらず、どうして「当社独自の制度を作りたい」というニーズがあるのか。「人事制度=コピペ」というイメージを作っている何か要因があるのではないかなと感じています。
ケースとして大きく2つありますので、解説しました。
「標準化されたメソッド」を入れてしまうコンサル
企業様にご提案している中で、意外にも多くの企業が人事制度導入に踏み切ったことがあるんだなと感じます。これは、企業規模に関わらず、小さい企業様でも聞かれる話です。
そして、その後運用をやめてしまったケースのほとんどが、過去に外部委託して人事制度を作ってもらっていました。外部とは、別の人事コンサル会社、県や区が派遣している専門家、社労士、キャリアアドバイザーなどです。
そういったところでは、「○○メゾッド」や「●●人事制度」のような一律の構築方法があり、コンサル内で使っている手法やフォーマットを判を押したように使用しているでのはないかなと推測されます。
これはコンサル側の視点に立つと合理的です。人事コンサルタントを養成するのは非常に難しく、人事や事業会社を経験していない新米コンサルタントでも標準化された手法を使えば一定の質を担保できるように開発されたものでしょう。
しかし、このやり方は柔軟性がないのが一番のデメリットです。
メゾッドやフォーマット自体は悪いわけではなく、これを使うコンサルタントが人事制度の余白をどこまで理解しているかによって完成形が変わってしまいます。もし、一点突破でごり押ししてくる方だと、たちまちコピペの人事制度が出来上がってしまいます。
私はコンサルタントは経験は重要だと思っていますが、それは人事制度の「構築経験」ではなく、「運用経験」があるかが見極めポイントです。人事部に所属し、運用を苦慮した経験があるかどうか。コンサル経験だけでは、人事制度が自社にフィットしていない影響や従業員からの不満がイメージできず、調整を進めることが難しいと考えています。
「早い・安い・簡単」を打ち出していたり、制度の効果を最初から打ち出している(自己実現、自律分散型など)専門家は、早く構築することを売りにしている分、型がきっちり決まっているだろうなという印象を受けます。
これはどちらが良い悪いといういことではなくコンサルタントは色があるので、どちらのコンサルタントが自社に合うかを依頼の時点で見極め頂ければと思います。
「丸投げ」は、独自性の放棄と同じです
もう一つの要因は、企業様側の人事制度への苦手意識があると思います。これは私が一度だけ体験したケースです。
「独自の制度を作る」ためには、企業様と私が対話を重ねながら制度の細かい部分を設計していくになります。企業様の方でも相当な努力が必要です。人事制度のことを勉強し、そこから派生してどのような人事課題に影響が及ぶかをイメージし、自社を分析し、落としどころを探ることに悩むことになりますので、多くの時間を費やして頂くことになります。
多くの企業様はこれを理解してくださり、社長様もしくはご担当者様が人事制度に関して積極的に学んでくださいます。こちらが驚くようなところまで知識がある方もいらっしゃり、そうするとさらに込み入ったレベルの高い話ができるようになってきますので、完成した人事制度の精度が高いと感じています。
そして、私の方は企業様への知識提供や手法提案を全力で実施させて頂きます。人事制度について基礎知識を学びたい社長様には勉強会を開催したり、関係者の方々にも実際に他者事案を見て頂きながらお話したこともあります。
ところが、中にはこの前提知識の底上げの時間を全く必要ないとしてしまう企業様がありました。
また、私のコンサルディングでは、社長様の方針と従業員の方の状況を把握するために準備期間に2~3カ月頂いていますが、その組織分析時間も不可とされました。学んだり、分析したりする時間がないからコンサルに依頼したんだ、ということでしょう。
このようなケースでは、「独自の人事制度は構築できませんよ」というお話をさせて頂きます。人事制度の手間・工数を丸投げしたい場合は、ある程度型にはまった人事制度を導入されることをお勧めします。コピペの人事制度自体が悪いわけではなく、シンプル簡単なものが多いですし、その方が費用対効果の満足度は上がるように思います。
人事制度を構築した人の本気度が高くないと独自の人事制度は作れない
コンサルディングとは、企業の風土や状況を初見の者が社外から入ってくるため、双方の努力が必要です。その意識がある企業様では、組織を変えたい本気度が高く、人事制度プロジェクトは必ず成功しています。そのような企業様のために動いていきたいと日々実感しています。
人事制度の構築にあたり、現場見学をさせて頂いた事例をまとめていますので、下記の記事もぜひご一読ください。
IGNITE HORIZON(イグナイト ホライズン)
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